2019年12月04日

ご縁をたどって行ったら、火渡りすることになった件

「あっ……俺、予知能力あるかも」

隣で運転をしながら、急に何を言い出すのかと思った。
理由を聞くと、今すれ違った車にあるようだった。
きれいな紅葉の峠道、流れるような赤と黄色の景色に見とれていたのであまりはっきりと覚えていないが、確か昔っぽい角ばった乗用車でサイドに「〜とうふ店」と書かれていた。

これでピンと来る人もいるかもしれないが、私にはさっぱりわけがわからなかった。
すれ違ったこの少し風変わりな車を、彼はその直前に頭に思い浮かべていたというのだ。

実は、「頭文字D」という「走り屋の若者たちを描いた漫画」の主人公が乗っている車が、まさに今すれ違った車なんだそう。トヨタのスプリンタートレノAE86型。
父が経営する藤原とうふ店の手伝いで豆腐を配送する主人公が、峠道で高速走行するシーンを思い浮かべていたら、まさに同じデザインの車がすれ違ったということだった。

彼氏との今年11月の紅葉ドライブでの出来事。
「そんなこともあるもんだね」と少しびっくりしたが、多かれ少なかれこういった出来事を体験したことがある人は多いと思う。
例えば、冬物のワンピースが欲しいと思ったら、街ゆくワンピースを着た女性に目がいってしまうといった現象だ。

少し視点が違うかもしれないが、私にもある。それも長いスパンをかけた「気づき体験」だ。

 

興味があるような、ないような……でも定期的に自分の前に現れるもの

8月に引越しの準備で本を片付けていたら、手塚治虫の漫画「ブッダ」と「仏教聖典」が出てきて、すっかり忘れていた出来事を思い出す。
ブッダは言わずと知れた大ベストセラー漫画、仏教聖典はお釈迦様の教えが書かれたオレンジ色の本だ。

漫画ブッダとの出会いは学生の頃。手塚治虫漫画に興味を持ち、ブラックジャックや火の鳥をよく読んでいた。その延長でブッダも購入したが、これは揃えたにも関わらず2、3巻読んで本棚の肥やしになってしまった。
良い話だと思った記憶があるが、学生の頃の自分にはそこまで面白さを感じなかったのかもしれない。

そして、仏教聖典を初めて手に取ることになったのは、社会人になって初めて行ったタイのリゾートホテルだった。開放的な南国の雰囲気に妙にマッチしたオレンジ色の本で、部屋の引き出しの中にあった物だ。
しかもなぜか日本語だったので、思わず読んでしまった。

お釈迦様が生まれて、出家して悟りを開いていく過程が描かれている本を数ページ読むうちに、神妙な気持ちになった。
がしかし、せっかく旅行に来ていたので、そのまま元あった場所に戻してタイ旅行を楽しんだ。そして帰国して、すっかり忘れて1年が経った。

ある日、勤務先の上司がなぜか仏教聖典を持って来ていた。
驚いて尋ねると、母親がもらった物で「興味がありそうだから」私にあげると言われた。
私もなんとなくもらってしまったが、その後もちゃんと読破することなくまたもや本棚の肥やしになってしまったのだった。

思えば、人生のところどころで仏教は現れる。

初詣やお葬式、お墓参り、お盆、山登りで知った修験道などなど……。

仏教が身近にある生活を送りながら、お釈迦様のことやその教えについてはあまり知らなかった。けれど、忘れた頃に仏教の方から誘うように時折私の目の前に現れる。

 

ピンと来たら、追ってみる。どんどんつながったら、それは「ご縁」

数ヶ月前もそうだった。
お坊さんの法話を収録した映像・音声コンテンツの解説文を手がける仕事をいただいたのだ。

これまでは、私の前に現れるだけだったが今回はそうはいかない。自分できちんと法話を理解して文章に落とし込まなければいけないのだ。
責任を伴うような形で仏教が私の前に来たのは初めて。
「これはいよいよ仏教の教えを頭に入れて身につけるタイミングが来たということなのかな」と考えながら法話を聞いた。
すると、「なんとなく知っていた」仏教の物語が、知識ではなく腹に落ちる感覚で頭に入っていくのだ。

ここで初めて、仏教とは生活に根ざした、「生きやすくなる教え」だということを理解した。
仕事や家庭、学問、人間関係、恋愛、病気、老いなど生きる上で必ず生じる悩み。
仏教とはそれに対して、どう考え行動すれば乗り越えることができるかを解説してくれる実用書みたいなものだった。

「なるほど、そうだったのか。今までしっかり向き合うことができなかったけど、もっと早くにちゃんと理解できていたら違った人生もあっただろうなぁ」と、少し後悔もありつつ、達成感を得ることができた。

ピンと来ることや、何度も偶然出会うもの、それはもしかしたらその人にとって大切な学びや根元につながることなのかもしれない。
しみじみと実感したその数ヶ月後……。

なんと、その法話を話された住職の関係者の方々にお会いする機会があった。
そこで、一年の締めくくりとして大きな行事がお寺で行われることを聞いたのだ。

愛知県小牧市福厳寺、そこで開催される「あきば大祭」。火渡り神事と呼ばれる、燃える炎の中を渡って行くことで一年の厄を落とす行事が行われる。

「あ、これももしかしたら『ご縁』?」
ピンと来たら行くしかない__。
今までの私なら、火の中を歩きに愛知県まで行こうと思わなかっただろう。
でも今は、そこで何かしらの「気づき」があるだろうと確信している。

予知能力や運命のようなことを私はあまり信じていないが、ハッと感じた物事を追うことでどんどん物事が展開していくなら、それは「ご縁」だと思う。
もしかしたら、その人の生きがいや使命など、もっと大きなものにつながるものでもあるかもしれない。

もし、この記事に「ピン」と来たら、あなたもあきば大祭に行ってみてはいかがだろうか?
【福厳寺あきば大祭】2019年12月7日(土)http://akiba.fukugonji.com/

2019年12月04日 | Posted in ブログ, ライター部 | | No Comments » 

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